サブプライムローン問題は下層階級だけの問題ではない(1)

自分の知っている部分でもあり、このあたりを整理してみることにしよう。
眠かったのであとで修正が必要だと思うが(笑)。


サブプライムローン関連のニュースが、は日経では「信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題」(11/25付)と呼ばれ朝日新聞では「低所得者向け(サブプライム)住宅ローン問題」(11/22付)と記されている。

日経の定義はさておき、朝日新聞の定義であると、低所得者である借り手が無理に
ローンを借りて返せなくなるというイメージになるだろう。

ところが先日のCNNでは"Middle Class" の問題と言っていた。中流階級であれば、
低所得者層ではないだろう。ここに、少々ギャップがあるといえる。

なぜこんなことが起こるのか? 実はここにサブプライムローン問題の根の深さがある。

もともとの問題は、朝日新聞のいうように、低所得者向けのローンが返済されない、という
ところにあった。
ただ、なぜ返済できないのかということが問題なのだ。

驚く無かれ、米国人は、もともと住宅ローンを借金だという認識が少ない。
家を買う、というのは「借金を抱える」ということではなく、「貯蓄をする」という感覚なのだ。
家はローンをつけて買うわけだが、家の価格が横ばいだったとしても、ローンの返済が進んでいけば、借金部分が減り、その分の純資産(エクイティ)が増える。

つまり、価格からローンの金額を引いた部分は貯蓄と考えるのだ。頭金を最初に入れるわけだが、最終的に物件を売ったら頭金以上が還ってくるのであれば、その部分は貯蓄だ、というのが米国における不動産保有の基本的な考え方だ。

ついでに言うと、過去数十年の間、地域的な例外を除き、住宅価格はコンスタントに上昇していた。 そのため不動産を買う、ということは人々が行う自然な貯蓄だ、ということになっていた。

日本と違い、人は中古住宅を買い、そして売る。
新築を好む人が少ないくらいだ。 
筆者の知人は新築住宅に入居したが、その人いわく、「新築には二度と住まない」ということだった。
なぜなら、アメリカの場合、新築住宅というのは欠陥や不具合が多いのだ。
特に水周りについては問題が多いといわれる。それ以外にも外壁や隙間風、ドアのたてつけから
ガレージの開閉までいろいろな問題がおきる。
もちろん新し物好きの人は居るので、その人たちが自分で中身をオーダーして理想の家を作るケースは数多い。 ただし、入居したらまずはトラブルと戦うことが最優先事項になる可能性が高い。

アメリカでは、「新築ではなく、人が3年以上住んでいる家を探せ」といわれる。
3年も人が住んでいる場合、たいていの不具合は修理が済んでいるはずだ、というのが一般的な前提になると考えていいだろう。

本論に入るまえに長くなりすぎたので、ここで一度切る。