サブプライム問題への対応 ヒラリー対オバマ

下にある記事はサマリーだ。
ヒラリー、オバマどちらが候補になるのか、はともかくそれぞれの対策が発表されている。
これでわかることは、ヒラリーは「金融システム」を守ることを第一義においているのに対し、オバマは「弱者としての借り手」を守ることを第一義においているということだ。

言い換えると、ヒラリーは本質を見ており、オバマは支持層を見ているということになる。

低所得者向けのローン(必ずしも低所得だけではないのだ!)の借り手に対して、むちゃくちゃな条件の「猫だまし」でローンを出していたモーゲージハウスの多くが苦境に陥っている。もちろんモーゲージハウスにしても証券化がすんでいればエクスポージャーがないわけだが。 (そのへんはどこかで書けたらいいのだが…)

彼らの救済が必要だ、というのはある程度わかるだろう。 最初の3年間は、月に400ドルの支払だったものが、その後突然毎月1200ドルになる、なんてのはよくある話なのだ。 なぜそうなるか? これはモーゲージとして、いわゆる3年ARMで借りていたということにある。ARMとはAdjustable Rate Mortgageというもので、平たくいえば、3年の固定金利ののち、金利が変動しうるものだ。
http://www.erate.com/3_year_adjustable_rate_mortgage_arm.htm
まあ日本でもそうだといわれればそういうものがたくさんある。だがそこで問題なのは、その固定金利が意図的に低いものである場合があることだ。
そのへんはまた別途書くとして、とにかくオバマは、それで苦境に陥っている借り手を助けよう、という直接的な手法を唱える。

一方ヒラリーは、借り手だけではなく貸し手のことも考えている。
結局サブプライム問題は借り手の問題だけではなく、すでに貸し手たる金融機関が苦しむという問題になっており、それを助けるためには、借り手だけでなく貸し手へもいろいろな政策をとる必要があるのだ。 

だが、伝統的な民主党の支持者からすると、低所得者を直接的に助ける、というオバマ流のやりかたのほうが、受け入れやすい。
民主党はどちらかといえれば労働者階級の政党だからだ。
だが、政策としての本質は、本件ではヒラリーのほうが効果を生みやすいだろう。

個人的にはヒラリーよりもオバマに勝ってもらいたい。なぜか? ヒラリーはマケインに勝てない可能性が高いからだ。

マケインはかなり魅力的な人だ。年齢はいっているが、それをハンデにせずプラスに応用しているといえる。
以前、彼の演説を生で聞いたことがある。アメリカの政治家らしく、とてもスピーチがうまく、人を感動させるこつを心得ている。また、戦争や軍に対して、ゆるぎない一家言を持っている。彼はベトナム・ベテランだから。
ヒラリーがいくら経験を持ちだしても、マケインの経験には勝てない。 
ヒラリーが、戦火をくぐって、というコメントが嘘だったというのもあった。
それはそうだろう。ファーストレディを警固していて、責任者が、弾丸があたりそうなところへ行かせるはずがないからだ。

一方、金融政策でいえばオバマ的な人気とりよりヒラリーのような実際的な施策のほうが実効性はありそうだ。
だがその効果が出るには数年かかるのだが…

個人的にはオバマが大統領になったら面白いと思う。
アメリカの歴史がかわることになるかもしれない…


(何かの映画で(Deep Impact かな?)黒人が大統領ってのがあったが…。


また、とりとめなくなってしまった…



以下引用
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080326AT2M2501325032008.html
米大統領選、サブプライムで対応競う

 【ワシントン=丸谷浩史】米大統領選で信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題への対応が主要な争点として急浮上してきた。民主党ヒラリー・クリントン上院議員は住宅ローンの借り手と貸し手の救済策を提唱。オバマ上院議員は中低所得層向け対策の充実を訴えた。民主党指名候補争いの命運をかける4月22日のペンシルベニア州予備選を4週間後に控え、両候補は景気対策を前面に出して政権担当能力をアピールする戦略だ。

 クリントン氏は24日、フィラデルフィアで経済政策をテーマに講演した。サブプライムローン問題を協議するための緊急作業部会設置をブッシュ政権に求めた。メンバーにはクリントン政権にいたルービン元財務長官、米連邦準備理事会(FRB)のグリーンスパン前議長ら超党派の「オールスター」をあげた。 (09:29)