受け身と積極・ リアルとネット
ネットで調べる人たちは積極的だ。自分で何をするかをある程度わかった上で検索する。
たとえば出張のときのホテル予約。いつどこに行くのか、予算はどれくらいか、とかわかった上で自分に合ったのを選ぶ。
買い物にしても、ある程度検索して、自分がいいと思うものを選んだりする。
ところがすべての人が積極的ではない。
人から押されないと決めない人とか、言われたことに従う人もいる。
たとえば、テレビショッピング。
ビリーズブートキャンプが売れたのは、夜中にテレビでやっていたから、という人が多いだろう。
ネットでもずいぶん売れたらしい。だがその人たちは、テレビで知って、ネットで買っているわけだ。
テレビの場合、見たくて見ている人たちばかりではない。たまたまザッピングしていて見た、というのが多いはずだ。
毎晩毎晩見ているうちに何となく買いたくなったのだろう。
ネットの場合、自分から見に行く、という能動的な行動が必要になる。
もちろんリンクをたどってたまたま見つけることも多いわけだが。
何を買うのか、というのがわからない人は、自分で選べない。そんな人のためには、「これがいい」とすすめる人が必要なわけだ。
ジャパネットの高田社長なんかは完全にその役割を果たしている。
お見合いおばさんなんかもそういう役割だろう。結婚したいけどどうしよう、なんて人に仲人口でいろいろあることないこと(笑)言った上で結婚までさせてしまう。
などと書いてきたが、要するに、ネットでも、「これがいい」というのを勧める機能、というのにはある程度の需要がある、ということだ。もちろんそれ以上に、リアルでプッシュする人にも需要があるということになる。 だから、店員がいる店で買う人がなくならないというわけだ。
ネットの信者はなんでもネットでできるんだ、と言いたくなるようだが、そこの「背中を押す」機能はいまのネットでは弱い。
レコメンデーションエンジンだったり、エージェントだったり、あいまい検索だったり、その機能に近いものはできつつあるのだろうが、まだまだヒューマンタッチには勝ててないだろう。
だが、ネットによる個人情報の集積は、究極のカストマイズ・サービスを生み出す可能性も秘めている、ということも忘れてはならない。